能取岬といって
オホーツク海を高いところから見下ろせて、水平線がぐるーっと自分を取り囲む感じが好きで、
下の写真の木に囲まれた細い道を抜けるとばーんと景色が目の前にひらけるところもすごくよい
下に降りて間近に海も見て欲しいね
かもめもね、こんな近くで見れちゃう
船から木、生えちゃってるね
海岸沿いは、よくよく見ると汚いし、わけわかんないものが落ちてるのがいいよね
変な岩みたいな、右側に写っているのが地元では通称”二つ岩”って呼ばれてる
もう一カ所、帽子岩っていうのもあるんだ
地元ってのは、高校卒業と同時に出てしまってほとんど帰らないわたしからすると、
離れてみてふと気づく謎な部分があって
おなじように地元を出てしまってちがう地に住んでいる人に共感して欲しいんだけど
たとえば小さい頃から幾度となく通ってきた道なのに
真ん中右寄りに写っている白い建物って、一体なんなのかわからない
今写真を見ていて、更に何の建物なのか気になり出す次第である
同じ地元から東京に出てきている面子と夜な夜な飲みながら、あそこのとこにあったあの建物って一体なんだったんだっけ?って話から、
あそこってあの道ぬけてあそこにつながる道をとおるとき右手にみえるあのやつ?
いやそこは一本手前で、もう一本奥の市役所につながってる道じゃない?
という具合に
みんな頭の中で一生懸命地元の街を駆け巡っているうちに
ものすごく強烈に懐かしい感覚と同時にものすごくぼんやりとした、知らない街をさまようような夢で見た景色を一生懸命思い出すような感覚が襲ってきて、
なぜかものすごく怖くなった。
(もちろんグーグルアースとグーグルマップを駆使しようとしたけど、田舎すぎて出てこなかった)
あーあそこ!!ってなっても、そこがどういう場所なのか、ぜんぜん把握してないのね
しかも地理感覚もみんなそれぞれちょっとずつずれていて
小さいころから見ていて当たり前すぎて疑問に思わなかったのと
車で移動の多い地元では、自分の脚で歩いていたり、自分で車を運転していたらもっとどの道がどこに繋がってて、という当たり前の地理感覚もあっただろうに、その機会もほぼないまま出てしまったからで
ばーばーわいむってのは、その説明の途中に出てきた床屋さんの名前で、はさみを両手に持って交差させたポーズのパンチパーマのおじさんの看板が特徴的で、そのはさみのポーズをとったら全員がああー!ってなるくらい
でもそのおじさんの着ているTシャツは黄色だと言い張るやつと、Tシャツなんか着てたっけと抜かすやつと、やっぱりおぼろげなんだな
そのおじさん看板の正確なルックスがその夜にどうしても知りたくなった一同は、夜中に関わらず地元の友達に電話したり、「ばーばーわいむ おじさん 看板」で検索したり、絵に描いたりしてるうちに
おじさんの看板は、3年くらい前に撤去されてしまって、もう見ることができないとの情報が入った
このときの落胆たるや、いかに
あとちょっとでわかりそうなのに、
それがどうやっても成し遂げられない感覚もまた、淋しさを通り越して恐怖といってもよい
そのときこわい、と感じていることをその場の一同に話すと、誰も共感してくれず
でもこの感覚って、デジャヴとかみたいに名前がついててもおかしくない気がするんだよね
誰かわかるってひと いませんか